DTP・デザインで使用するソフトのアンケート調査結果を公開(2013年9月調査)

  • 公開:2013-10-08 16:00
  • 更新:

関係者各位

2013年10月8日

株式会社 吉田印刷所

DTP・デザインで使用するソフトのアンケート調査結果を公開(2013年9月調査)

CS5をメインで使うユーザーは依然多いが、CS6・CCへの併用もかなり多い

Creative Cloud導入ユーザーが前回調査の3倍に


株式会社吉田印刷所(新潟県五泉市)は、「DTP・デザインで使用するソフトのバージョン」のアンケートの結果を公開した。


今回の調査でもAdobe CS5をメインに使うユーザーが多いことが分かったが、CS6・CCのバージョンは着実に増加している。また、メインではないが併用しているバージョンを見てみるとCS6・CCの使用頻度もかなり多く、ユーザーが安心して移行できる環境作りが整えば、一気にCS6・CCへ移行できる可能性も見える。

Creative Cloudは既に使用している人が大幅に増えたが、使う予定がないとしていたユーザーも60%減少したことが大きな変化である。CCの利便性や必要性が大きく理解された結果といえる。


アンケート概要

株式会社吉田印刷所では自社サイトにて「DTPで使用するソフトのバージョン」アンケートを2013年9月に行った。


アンケート期間 2013年9月12日~2013年9月30日
アンケート対象 DTP・デザイン・印刷関係のAdobeソフトユーザー
アンケート方法 以下のページに設置したアンケートによる回答(無記名回答・記入回答あり)

https://www.ddc.co.jp/dtp/archives/20130912/150000.html

アンケート内容 Adobe Illustrator・Photoshop・InDesign・Acrobatのソフトのメインで使用しているバージョン・他にも使用しているバージョンがあればそのバージョン

Adobe Creative Cloudの使用状況・CCを使って驚いたこと(自由回答)

Adobeへのメッセージ(自由回答)

アンケート回答者数 371名

アンケート結果

アンケートの結果は以下の通り。(5位より下は省略/右側の丸括弧内は2012年12月に行ったアンケートとの比較)

Illustratorについて

●メインで使用するバージョン

  • [1位]31.5% Illustrator CS5/5.1 (+ 0.7ポイント)
  • [2位]21.8% Illustrator CS6   (+ 6.2ポイント)
  • [3位]18.9% Illustrator CS4   (- 3.9ポイント)
  • [4位]11.1% Illustrator CS3   (-10.0ポイント)
  • [5位]10.0% Illustrator CC     (新規)

●使用バージョンについて

  • ひとつのバージョンのみ使用:19.7%
  • 複数のバージョンを併用  :80.3%

●複数のバージョンを使用している場合のバージョンについて

  • [1位]34.9% Illustrator CS6
  • [2位]29.9% Illustrator CS3
  • [3位]27.9% Illustrator CS5/5.1
  • [4位]19.5% Illustrator CS4
  • [5位]14.4% Illustrator CC

Illustratorのメインで使用するバージョンは、1年前から変わらずCS5/5.1のユーザーが強いことが伺えるアンケート結果となった。

Illustrator CS3・Illustrator CS4ユーザーは大きく減少してIllustrator CS6・Illustrator CCが伸びる結果となった。パッケージ版はIllustrator CS6が最終バージョンのため、Illustrator CS6がある種のスタンダードになる可能性がある。今後Illustrator CCがどのくらいのスピードで伸びていくかが注目だろう。

使用バージョンに関しては、他のPhotoshop・InDesignと異なり「複数のバージョンを併用」するユーザーは80%を超えている。

前回の調査結果でも書いたが、データの受け渡しの際に作成時とバージョンが異なるバージョンで開くと文字や表現が変わってしまうことが多々あるため、複数のバージョンを併用するというスタイルになっている。

Illustratorデータは特に部品や完成原稿データとしての他のユーザーとの受け渡しの回数も多いデータであるため、複数のバージョンを併用せざるを得ない。

複数のバージョンを使用している時のバージョンを見てみると、メインではほとんど見られなくなったIllustrator 8やIllustrator 10が比較的多いことから、これは他のユーザーに合わせたバージョンを使わざるを得ない環境が根強く残っている証拠だろう。

バージョン間での互換性がないことで、移行が遅くなったり、過去の環境を残さなければいけない問題が発生したりするので、Adobeはメーカーとして、何らかの対策を講じることが新しいバージョンへの移行を促す原動力となるだろう。



Photoshopについて

●メインで使用するバージョン

  • [1位]26.4% Photoshop CS5/5.1 (- 3.3ポイント)
  • [2位]25.6% Photoshop CS6   (+ 4.5ポイント)
  • [3位]15.4% Photoshop CS4   (- 4.9ポイント)
  • [4位]12.9% Photoshop CC   (新規)
  • [5位]10.0% Photoshop CS3   (- 8.1ポイント)

●使用バージョンについて

  • ひとつのバージョンのみ使用:36.7%
  • 複数のバージョンを併用  :63.3%

●複数のバージョンを使用している場合のバージョンについて

  • [1位]30.6% Photoshop CS6
  • [2位]24.7% Photoshop CS5/5.1
  • [3位]20.4% Photoshop CS3
  • [4位]16.2% Photoshop CC
  • [4位]14.5% Photoshop CS4

今までの調査結果からPhotoshopはIllustrator・InDesignと異なり、新しいバージョンが上位になる傾向が強いが、今回もその傾向が色濃く出る結果となった。

やはりPhotoshopでは、より新しいバージョンでは、品質が高く、効率が良いということがユーザーに理解されていると考えられる。互換性の問題の少なさも移行の大きな要因だろう。

次回の調査ではPhotoshop CS6がメインとして使われるバージョンのトップとなることが予想される。


InDesignについて

●メインで使用するバージョン

  • [1位]19.4% 使っていない  (+ 2.2ポイント)
  • [2位]17.0% InDesign CS6  (+ 4.2ポイント)
  • [3位]17.0% InDesign CS4  (- 3.6ポイント)
  • [4位]14.4% InDesign CS5.5  (+ 0.6ポイント)
  • [5位]13.7% InDesign CS5 (- 2.5ポイント)

●使用バージョンについて

  • ひとつのバージョンのみ使用:37.2%
  • 複数のバージョンを併用  :62.8%

●複数のバージョンを使用している場合のバージョンについて

  • [1位]36.9% InDesign CS6
  • [2位]30.5% InDesign CS3
  • [3位]25.3% InDesign CS5
  • [4位]23.6% InDesign CS5.5
  • [5位]21.5% InDesign CS4

InDesignのメインで使用するバージョンは、前回の調査で20%以上あったInDesign CS3・InDesign CS4が20%を割り込み、InDesign CS6が増えた結果が出た。InDesignは新しいバージョンへの移行が遅いという傾向があるが、InDesign CCは5.5%と他のIllustrator・Photoshopと比べて半分程度しかメインとして使用していない。冊子やカタログなどは制作期間が長期にわたり、またコンテンツの大きさからバージョン違いでの挙動の違いも影響が大きいため、移行が遅いのだろう。

複数のバージョンを使用している場合のバージョンを見てみると、メインではほとんど使用されないInDesign CS2が13.3%と比較的多い。ここにもIllustratorと同じくバージョン間の互換性の問題で移行できていない状況があると考えられる。

また、InDesign CS6の併用率が36.9%とかなり高い。このことから、InDesign CS6をメインへ移行することを考えているユーザーも多いと考えられる。



Acrobatについて

●メインで使用するバージョン

  • [1位]35.6% Acrobat X  (+ 5.9ポイント)
  • [2位]29.9% Acrobat 9  (- 6.2ポイント)
  • [3位]18.1% Acrobat XI  (+11.4ポイント)
  • [4位] 9.2% 使っていない(― 3.0ポイント)
  • [5位] 5.4% Acrobat 8 (― 7.4ポイント)

●使用バージョンについて

  • ひとつのバージョンのみ使用:55.8%
  • 複数のバージョンを併用  :44.2%

●複数のバージョンを使用している場合のバージョンについて

  • [1位]34.1% Acrobat X
  • [2位]31.7% Acrobat 9
  • [3位]23.2% Acrobat XI
  • [4位]20.1% Acrobat 8
  • [5位] 6.7% Acrobat 7

AcrobatのバージョンはIllustratorやPhotoshopと異なり、メインで使用するバージョンが非常に集中する傾向が見られる。約3分の2以上のユーザーがAcrobat XとAcrobat 9をメインと使用しており、ここまで集中している様子はIllustratorやPhotoshopにはない。

ひとつのバージョンで使用する割合は他のIllustratorやPhotoshopなどと異なり、半数以上がひとつのバージョンしか使わないという結果が出ているが、複数のバージョンを使用する場合のバージョンを見てみると、Acrobat 5とユーザーも6.1%存在し、古い環境での確認作業などでまだAcrobat 5が使用されていることが伺える。


Creative Cloudについて

●導入状況について

  • 既に使っています:32.3% (+20.1ポイント)
  • 導入予定あり  : 5.1% (+ 2.6ポイント)
  • しばらく様子見 :41.2% (+ 9.3ポイント)
  • 使う予定はない :21.3% (―32.0ポイント)

前回の調査から、既にCreative Cloudを使用しているというユーザーは3倍程度に大幅に増え、利用が広がっている様子が伺える結果となった。また、「使う予定はない」というユーザー前回の調査で53.3%だったが、今回の調査では半分以下に減少し、Creative Cloudの利用に対してユーザー心理が非常に前向きに変わってきた様子もわかる。

前回の結果で「Creative Cloudが開始されたときのソフトのバージョンを継続的に使用できる様になることでこうした不安を解消できるのではないか」と書いたが、4月の規約改定で「CS6以降のアプリケーションがいつでも全て使えるサービス」となった。CS6以降という制限はあるが、継続性が出たことで安心して使えると考えたユーザーが増えたのではないか。


関連情報

前回の使用ソフトのアンケート調査結果(2012年12月調査)

追記:2014年10月8日

「複数のバージョンを使用している場合のバージョン」のグラフの値が一部誤って集計されていたので、修正をし、グラフを変更しました。お詫びして訂正いたします。

株式会社吉田印刷所について

株式会社吉田印刷所は、1920年創業の様々な印刷サービスを提供する総合印刷会社です。

新潟県五泉市という地域に根付いた印刷会社ですが、ネットで印刷を全国から受注する取り組みも2000年より業界に先駆けて行っており、近年は極薄紙(薄葉紙)のカラー印刷などにも取り組み、市場の開拓を進めています。

http://www.ddc.co.jp/service/ultra-thin-print.html


■お問い合わせ担当者:株式会社吉田印刷所 CSS部 笹川( info@ddc.co.jp )

〒959-1852 新潟県五泉市今泉902-1  TEL.050-3733-1975

http://www.ddc.co.jp/

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