DTP・デザインで使用するソフトのアンケート調査結果を公開(2012年12月調査)

  • 公開:2013-01-18 11:01
  • 更新:

関係者各位

2013年1月18日

株式会社 吉田印刷所

DTP・デザインで使用するソフトのアンケート調査結果を公開(2012年12月調査)

Illustratorの複数バージョンの使い分けをするユーザーが80%

Creative Cloud導入にはコストとバージョンの扱いが導入のネックに


株式会社吉田印刷所(新潟県五泉市)は、「DTP・デザインでよく使用するソフトのバージョン」のアンケートの結果を公開した。


CS6への移行が進みつつある状況だが、複数バージョンを使い分けるユーザーも60%以上と多い。


Creative Cloud導入はコストパフォーマンスで導入するユーザーが半数いる反面、コストの関係で導入しないユーザーも20%存在している。


アンケート概要

株式会社吉田印刷所では自社サイトにて「DTPでよく使用するソフトのバージョン」アンケートを2012年12月に行った。


アンケート期間 2012年12月4日~2012年12月31日
アンケート対象 DTP・デザイン・印刷関係のAdobeソフトユーザー
アンケート方法 以下のページに設置したアンケートによる回答(無記名回答・記入回答あり)

  dtp/archives/20121204/144622.html

アンケート内容 Adobe Illustrator・Photoshop・InDesign・Acrobatのソフトのメインで使用しているバージョン・他にも使用しているバージョンがあればそのバージョン

Adobe Creative Cloudの使用状況・使用状況の理由(自由回答式)

アンケート回答者数 360名

アンケート結果

アンケートの結果は以下の通り。(5位より下は省略/右側の丸括弧内は2012年8月に行ったアンケートとの比較)

Illustratorについて

●メインで使用するバージョン

  • [1位]30.8% Illustrator CS5/5.1 (- 1.0ポイント)
  • [2位]22.8% Illustrator CS4   (- 2.9ポイント)
  • [3位]21.1% Illustrator CS3   (- 0.2ポイント)
  • [4位]15.6% Illustrator CS6   (+ 5.8ポイント)
  • [5位] 3.3% Illustrator CS2   (+ 0.5ポイント)

●複数のバージョンを使用している場合のバージョンについて(メイン以外)

  • ひとつのバージョンのみ使用:18.3%
  • 複数のバージョンを併用  :81.7%

Illustratorのメインで使用するバージョンは、依然CS5/5.1のユーザーが強いことが伺えるアンケート結果となった。

CS3・CS4ユーザーも減少傾向にあるが、大きく変動はしておらず安定したバージョンとして使用されているようである。


使用バージョンに関しては、他のPhotoshop・InDesignと異なり「複数のバージョンを併用」するユーザーが80%を超えている。

これはバージョン毎に様々な機能の違いがあり、受け渡しの際に作成時とバージョンが異なるバージョンで開くと何かしらのトラブルになることが多々あるため、複数のバージョンを併用するというスタイルになっていると考えられる。

また、Illustratorデータは特に部品や完成原稿データとしての他のユーザーとの受け渡しの回数も多いデータであるため、複数のバージョンを併用せざるを得ないとも考えられる。



Photoshopについて

●メインで使用するバージョン

  • [1位]29.7% Photoshop CS5/5.1 (- 3.5ポイント)
  • [2位]21.1% Photoshop CS6   (+ 7.9ポイント)
  • [3位]20.3% Photoshop CS4   (- 3.5ポイント)
  • [4位]18.1% Photoshop CS3   (- 2.3ポイント)
  • [5位] 3.9% Photoshop CS2   (+ 1.3ポイント)

●複数のバージョンを使用している場合のバージョンについて(メイン以外)

  • ひとつのバージョンのみ使用:38.3%
  • 複数のバージョンを併用  :61.7%

やはりPhotoshopはIllustrator・InDesignと異なり、新しいバージョンが上位になる傾向が強い。

CS6が2位に入っているのはPhotoshopだけである。

Photoshopでは互換性も重要だが、新しい機能を使用し、作業効率を高めたり、より優れた表現を行ったりすることに重きを置かれているからと考えられる。


使用バージョンについて見てみると、60%程度のユーザーが「複数のバージョンを併用」しており、何かしらの部分で複数のバージョンを使用しなければいけない状態もあることが伺える。

使い分けに関しては、機能的な部分ではなく、操作的な部分で複数のバージョンを使い分けていると考えられる。



InDesignについて

●メインで使用するバージョン

  • [1位]20.6% InDesign CS4  (- 3.3ポイント)
  • [2位]20.0% InDesign CS3  (- 2.3ポイント)
  • [3位]17.2% 使っていない  (- 0.3ポイント)
  • [4位]14.4% InDesign CS5  (+ 0.5ポイント)
  • [5位]13.1% InDesign CS5.5 (+ 1.0ポイント)

●複数のバージョンを使用している場合のバージョンについて(メイン以外)

  • ひとつのバージョンのみ使用:39.2%
  • 複数のバージョンを併用  :60.8%

InDesignのメインで使用するバージョンは前回のアンケートと順位が全く同じだった。

InDesign CS6は6位で12.8%だが、前回の6.4%から+6.4ポイントとなった。

順調にCS6のユーザーが増えていることを伺わせる。

次回のアンケートではCS5・CS5.5を超えていくことが予想できる。


使用バージョンは「ひとつのバージョンのみ使用」が40%程度となっており、Illustratorとは異なる傾向が伺える。

これはIllustratorほど他の環境へデータのやり取りが多くはないためと考えられる。

しかし、60%のユーザーは複数バージョンを使い分けており、文字組版などでクリティカルな影響を避けたいという姿勢が伺える。



Acrobatについて

●メインで使用するバージョン

  • [1位]36.1% Acrobat 9  (- 6.2ポイント)
  • [2位]29.7% Acrobat X  (- 2.2ポイント)
  • [3位]12.8% Acrobat 8  (+ 1.6ポイント)
  • [4位]12.2% 使っていない(+ 4.0ポイント)
  • [5位] 6.7% Acrobat XI (新規)

●複数のバージョンを使用している場合のバージョンについて(メイン以外)

  • ひとつのバージョンのみ使用:58.3%
  • 複数のバージョンを併用  :41.7%



Acrobatのメインで使用するバージョンの順位は、前回のアンケートとほとんど変わっていない。

Acrobat XIは2012年10月に発表されたものだが、既に6.7%のユーザーがメインで使用している。

使用バージョンも他のソフトとは大きく異なり、「ひとつのバージョンのみ使用」するユーザーが60%ほどと高い値となっている。

新しいバージョンをインストールする際に古いバージョンをアンインストールしようとする仕様も影響していると考えられるが、「複数のバージョンを併用」するメリットを感じていないユーザーが多いのではないだろうか。



Creative Cloudについて

●導入状況について

  • 既に使っています:12.2%
  • 導入予定あり  : 2.5%
  • しばらく様子見 :31.9%
  • 使う予定はない :53.3%

前回の調査と項目が少し異なるが、「使う予定はない」との回答は10ポイントほど減っている。

代わりに「しばらく様子見」が10ポイントほど増えている。

Adobe Creative Cloudがどのようなものかという情報が浸透していき、少しずつ理解され始めて、「全く使う予定はない」というムードから「考えなくもない」というムードへとシフトしているユーザーが増えたと考えられる。


自由記入型の項目では、既にCreative Cloudを使用しているユーザーからは、コストパフォーマンスで選択したという回答が51%、その中の20%が月額3,000円ならコストパフォーマンスが良いといった回答をしている。

新しいアプリケーションに魅力を感じているユーザーは17%で、新しいバージョンへの期待がさほど大きくなく、コスト面での選択といった判断が伺える。


「しばらく様子見」「使う予定はない」と回答した回答者からは、バージョンの扱いが心配という回答が23%、コストパフォーマンスが悪いという回答が21%、そんなに多くのソフトは使わないという回答が10%となっている。

やはりDTP・デザイン・印刷の現場においては、データの再現性や安定性が強く求められるため、常に新しいバージョンの使用を余儀なくされるCreative Cloudは不安が大きいという結果が出た。

Creative Cloudが開始されたときのソフトのバージョンを継続的に使用できる様になることでこうした不安を解消できるのではないか。


関連情報

前回の使用ソフトのアンケート調査結果(2012年8月調査) 


追記:2014年10月7日

「複数のバージョンを使用している場合のバージョン」についてのバージョン別グラフを追加しました。


株式会社吉田印刷所について

株式会社吉田印刷所は、1920年創業の様々な印刷サービスを提供する総合印刷会社です。

新潟県五泉市という地域に根付いた印刷会社ですが、ネットで印刷を全国から受注する取り組みも2000年より業界に先駆けて行っております。

印刷・DTP関連情報発信も業界のトップ水準で行っております。


■お問い合わせ担当者:株式会社吉田印刷所 CSS部 笹川( info@ddc.co.jp )

〒959-1852 新潟県五泉市今泉902-1  TEL.050-3733-1975

https://www.ddc.co.jp/

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