Illustratorでカリグラフィーペンや蛍光ペンで描いたような線を描く方法(正確な数値が必要な場合)

Illustratorでカリグラフィーペンや蛍光ペンで描いたような線を描く方法(正確な数値が必要な場合)

Illustratorでカリグラフィーペンや蛍光ペンで描いたような「端が垂直で縦横の幅が違う線」を描く方法」の記事では、横線の幅を太くするために、効果(アピアランス)の「押し出し・ベベル」を使用して、擬似的にパスを傾けて表現しました。


グラフィックデザイナーの樋口さんから、この方法以外の「横線の幅だけを太くする方法」を教えて頂いたので、記事としてまとめました。


以下のように「縦線と横線の幅が違い、端が垂直」の仕上がりのものを作成します。

Illustratorでカリグラフィーペンや蛍光ペンで描いたような線を描く方法(正確な数値が必要な場合)-01

アピアランスの変形とパスのオフセットを使う

樋口さんの方法はアピアランスの「変形」と「パスのアウトライン」を使用します。


まずは細い縦線の太さを設定します。

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パスを描きます。

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アピアランスのパネルで「線」を選んだ状態で、メニューから「効果」→「パスの変形」→「変形」を選択します。

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変形効果の画面は以下のように設定します。

  • 拡大縮小:垂直方向:10%
  • 線幅と効果を拡大・縮小:チェックを外す

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以下のように縦に潰れた状態になります。

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アピアランスのパネルで「線」を選んだ状態で、メニューから「効果」→「パス」→「パスのアウトライン」を選択します。

画面上では変化はありません。

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アピアランスのパネルで「線」を選んだ状態で、もう一度、メニューから「効果」→「パスの変形」→「変形」を選択します。

Illustratorでカリグラフィーペンや蛍光ペンで描いたような線を描く方法(正確な数値が必要な場合)-04


「この操作では、新たにこの効果のインスタンスが適用されます。」といったダイアログが表示される場合は「新規効果を適用」を選択します。

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変形効果の画面は以下のように設定します。

  • 拡大縮小:垂直方向:1000%

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意図した通り、「縦線と横線の幅が違い、端が垂直」の仕上がりの図形になりました。

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パスのアピアランスは以下のようになっています。

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今回の数値の場合、横線の太さは縦線の太さ(4pt)の10倍の40ptになります。



拡大縮小の倍率を変えてみる

変形の拡大縮小の倍率を変えてみましょう。

最初の変形効果の画面は以下のように設定します。

  • 拡大縮小:垂直方向:20%
  • 線幅と効果を拡大縮小:チェックを外す

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2つ目の変形効果の画面は以下のように設定します。

  • 拡大縮小:垂直方向:500%

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すると、以下のように少し横線の太さが小さい仕上がりの図形になりました。

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今回の数値の場合、横線の太さは縦線の太さ(4pt)の5倍の20ptになります。


アピアランスの分割について

今回のアピアランスの「変形」と「パスのアウトライン」を使用した方法は、印刷のためにアピアランスの分割をするまでもないと思いますが、心配であればアピアランスの分割をして単純な図形に変換しておきましょう。


作成したパスを選択して、メニューから「オブジェクト」→「アピアランスの分割」を選択します。

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単純な塗りだけのパスになりました。

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変形効果の拡大縮小の倍率の計算方法

アピアランスの「変形」と「パスのアウトライン」を使用した方法の大きな特徴は、横線の太さを正確に指定できることです。

ただし、変形効果の拡大縮小の倍率によって指定する必要があるので計算方法を説明します。

横線の太さは、縦線の太さと拡大縮小の垂直方向の倍率を掛け合わせた数値です。

以下の計算式で求めます。

横線の太さ=「縦線の太さ」×「2つ目の変形効果の拡大縮小の垂直方向の倍率」


また、1つ目の変形効果の拡大縮小の垂直方向の倍率は以下の計算式で求めます。

1つ目の変形効果の拡大縮小の垂直方向の倍率=1÷「2つ目の拡大縮小の垂直方向の倍率」


拡大縮小の倍率の計算例

このため、縦線の太さが「1pt」で、横線の太さを「10pt」にしたい場合は、

10pt = 1pt × 「2つ目の変形効果の拡大縮小の垂直方向の倍率」

なので、「2つ目の変形効果の拡大縮小の垂直方向の倍率」は「10」つまり「1000%」となります。(※:1=100%です)


「1つ目の変形効果の拡大縮小の垂直方向の倍率」 = 1 ÷ 「2つ目の拡大縮小の垂直方向の倍率」

なので

「1つ目の変形効果の拡大縮小の垂直方向の倍率」 = 1 ÷ 1000% → 1 ÷ 10 → 0.1 → 10% となります。


今回紹介した方法は多少計算をする必要があるので、正確な太さを求める場合は、アピアランスの「変形」と「パスのアウトライン」の方法を使用して、見た目のイメージで簡単に作業したい場合は、アピアランスの「押し出し・ベベル」で作業するというように、使い分けをしてもよいかもしれません。



樋口さんのツイートと著書の紹介


樋口さんの著書を紹介します。

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