Illustratorでアピアランスのぼかし処理をしてPDF保存すると画面上と色が変わってしまう

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Illustratorでアピアランスのぼかし処理をしてPDF保存すると画面上と色が変わってしまう
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概要

Illustratorのアピアランスに「ぼかし」がありますが、これを使用して制作をし、PDF保存すると、Illustratorの編集画面とカラーが変わった状態でPDF保存されてしまう問題について説明しています。

実例

Illustratorで以下のデータを作成します。(データ作成はIllustrator CCです)


四角のオブジェクトに塗りでC100%・M50%(上段)、C100%・Y100%(下段)を設定し、その塗りにアピアランスの「スタイライズ」→「ぼかし」を適用します。

面にK20%の塗りを持つ四角形オブジェクトを配置し、最初に配置した四角形の下半分に掛かるように配置します。

すると、面のK20%のオブジェクトに掛かったぼかしの部分のカラーが変化します。上段の四角のオブジェクトはMの成分が強くなっているように見えます。

Illustratorの編集時とPDF変換時でカラーが違う


このデータからPDF/X-1a形式で保存します。

すると、四角のオブジェクトのぼかしの部分のカラーが変化しているように見えます。

Illustratorの編集時とPDF変換時でカラーが違う


同様にPDF/X-4形式で保存します。

同じように四角のオブジェクトのぼかしの部分のカラーが変化しているように見えます。

Illustratorの編集時とPDF変換時でカラーが違う


制作時に見ている状態と、PDF保存時の状態が異なることが分かりました。


なぜこのようなことが起こるのか

Illustratorの編集時に「オーバープリントプレビュー」を行っていないためです。


オーバープリントプレビューにて確認してみましょう。

先程のドキュメントにて、メニューから「表示」→「オーバープリントプレビュー」を選択して、チェックが入っている状態にして下さい。

Illustratorの編集時とPDF変換時でカラーが違う


すると、PDF形式で保存したときと同じカラーで表示されます。

Illustratorの編集時とPDF変換時でカラーが違う


これはオーバープリントプレビューをしていない状態では、透明の処理をCMYKのカラースペースで行っていないためと考えられます。

編集時のカラーとPDF保存時のカラーの差を無くすには、オーバープリントプレビューを活用することが重要です。


補足

このドキュメントのカラーモードをRGBカラーに変更して、PDF/X-1a形式・PDF/X-4形式で保存した場合は、編集時の見た目とPDFのカラーは変化がありません。(PDF/X-1aの場合CMYKの近似値に変換されます)

Illustratorの編集時とPDF変換時でカラーが違う


検証用データ

検証用データを作成しました。バージョンはIllustrator CCです。

ドキュメントのカラーモードがCMYKカラーのものとRGBカラーのものが入っています。

検証用Illustrator・PDFファイルZIP圧縮