
このページでは印刷用途向けPDF規格「PDF/X」「PDF/X-1a」についての情報を掲載しています。
このページで「PDF/X」と指しているものは「PDF/X-1a:2001」を意味しています。
「PDF/X-1a:2003」および「PDF/X-3」「PDF/X-4」はこの項目では対象としておりません。
»【PDF/Xとは?】
PDF/XとはPortable Document Format eXchange(PDF/eXchange)の略で、PDFファイルの相互交換性に関する規格のことです。
PDF/Xの仕様はISOにより規定されています。つまりPDF/XはPDFデータを受け渡す際にどのようなデータが望ましいかという世界標準の基準を示しているともいえます。
»【PDF/Xは新しいPDFではない】
PDF/XはPDFの新しいバージョンではなく、あくまでPDFの規格全体の一部分(サブセット)で、印刷用途に最適化されたPDFの規格です。印刷上問題となるカラー・フォント・トラッピング・ハーフトーンなどの不確定要素をできるだけ排除した内容になっています。

▲概念図
また、上の図からもわかりますがAcrobatで作成したPDFがPDF/Xにすべて準拠するわけではありませんし、印刷用途向けのPDFがPDF/Xにすべて準拠するわけではありません。
»【PDF/Xは印刷用途向けのPDF】
PDF/Xという規格がなかった時には、PDFといってもWEB用PDF・ebook用PDF・プレス(印刷)用PDFなど様々な種類がひとまとめに「PDF」という名前で呼ばれていました。
印刷用途向けのPDFの標準的な規格がなかったために「PDFにさえなっていれば印刷は問題ない」という誤った認識を持たれる方もいらっしゃいます。
PDF/Xはこのような言葉上の問題を解決すると共に、PDFに変換する作業者自身が印刷用途のPDFに準拠しているかどうかを判断できるように判断材料を明確化したものです。
»【一般的な印刷向けには「PDF/X-1a」】
PDF/Xにはいくつかの種類があり、主なものとして「PDF/X-1a」「PDF/X-3」「PDF/X-4」が挙げられます。「PDF/X-1a」は従来からの印刷工程の内容を特に重視した規格になっています。
以下は「PDF/X-1a」の規格の内容です。(一部)
- PDFのバージョンはPDF1.3より後のバージョンを使用できません
- PDFデータに透明の情報は含まれてはいけません
- 平網・画像を含めPDFに含まれる全てのカラーモードは「グレースケール」・「CMYK」・「いわゆる特色」(DeviceGray・DeviceCMYK・DeviceNなど)に限定され、カラーマネージメントは使用されません
- PDFに含まれる画像は実画像(出力用の画像)です
- フォントは全てアウトライン化もしくは全て埋め込まれています
- OPIの情報は含まれません
- トランスファ関数やハーフトーンスクリーン情報は含まれません
- トラッピング、出力インテントが指定されています
- PDFは暗号化されていません
- PDF内の圧縮はJPEG圧縮、Flate圧縮、RunLength圧縮、CCITT FAX圧縮の使用が認められています。LZW圧縮、JPEG2000圧縮、JBIG2圧縮は認められていません。
»【PDF/Xに変換することのメリットは?】
PDF/Xにすることでどのようなメリットが発生するのでしょうか?
PDF/Xはプリフライト(出力前のデータチェック)の機能を持っているともいえます。データチェック機能により次のメリットが発生します。
- 基本的にCMYK(+特色)のカラースペースのみ認めているので、RGBなどのカラースペースからCMYKカラースペースへの変換を心配しなくても良くなる
- フォントが埋め込まれた状態(またはアウトライン化された状態)であるので、プリンタフォントがないなどの問題による文字化けの可能性がない
- すべての実画像が埋め込まれて、OPI情報が含まれないため、リンクミスなどによる異なる画像への置き換えエラーの心配がなくなる
- PostScriptの命令には用意されていない透明効果の情報がPDF上にはなく、既に分割された画像またはベクトルデータになっているため、出力結果が見えやすい(またはRIPの性能に左右されにくくなる)
- 出力サイドが意図した出力線数で出力される
»【PDF/Xと仕上がりの問題は別】
PDF/X-1aは印刷工程を重視したものですが、PDF/X-1aは画像の解像度に関しての制限はありません。このため、72dpiやそれ以下の解像度であってもPDF/X-1aとしては問題はありません。ただ、このPDFは印刷物としては問題が発生することもあります(ソフトウェアのマニュアルなどはスクリーンキャプチャのほとんどが72dpiですので、一概に解像度が低いことが印刷物として不適切であるとは言えません)。
また、上記にあるように、PDF/X-1aはカラーモードがCMYK+特色と規定されているので、結果として特色版を含むことを許容しています。もしCMYKのみのプロセスカラー印刷であれば、特色を含むPDFは誤りということになりますが「PDF/X-1aとしては」問題はありません。
また、裁ち落としの部分まで画像や色が入っていないなどの問題はPDF/Xに変換する前の問題で、 PDF/Xとは別の問題になります。
このため、PDF/X-1a準拠であったとしても製版工程や印刷工程では注意すべき点があります。
PDF変換前に仕上がりの確認をしていないと、PDFに変換しても結果としてエラーの印刷物が仕上がってしまいますので注意をして下さい。


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